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2023/01/05 15:22

こんにちは店主NOBです。

nektalwineネクタルワインを始めた理由について、『チャコリ』の販売をしたいことが一つのきっかけであったと少しお話ししましたが、
そもそも『チャコリ』って何?と思っている方もいるのではないかな?と思いざっくりと説明しますね。

スペインバスク地方で日常的に飲まれているワイン、です。

ほとんどが白ですが、ロゼもたまに見かけます。赤はかなり少ないです。
白、赤、ロゼ、の他、瓶内二次発酵のスパークリングや遅摘みの甘口、最近ではオレンジ、アンフォラ熟成など色々とあります。

世界でも有数の美食の街として知られるサン・セバスチャンのバルへ行くと、皆んな気軽に飲んでいます。
観光客も地元のおじさまも、買い物途中のマダムも。
カウンター越しにカマレロ(ウェイター)が小さな円柱型のグラスを目掛けて腕をめいいっぱい伸ばし頭上から、
じょじょじょーっと勢い良く注いでくれるパフォーマンスが印象的!!(エスカンシアールと言います)
初めて見た時は、もう1回!!もう1回!!とお願いしちゃいますよね。
ほんのり発泡していて軽くクリスピーな口当たり、青リンゴのようなフレッシュで爽やかな酸味とミネラル感が特徴です。
味わって飲むと言うより、ビール感覚でササッと飲んじゃってください。
バルではパフォーマンスもあってエスカンシアールしますが、レストランではほとんどしません。
生産者の中には、味が壊れるのでエスカンシアールはしないでワイングラスに静かに注いで飲んで欲しいとおっしゃる方もいます。
かつての『チャコリ』は酸が高く、今のものよりだいぶ酸っぱい印象でした。
高い位置から注ぐことによってワインに空気が含まれ酸味が穏やかになり飲みやすくなり、また、気泡もより感じられ口当たりが良くなるのでエスカンシアールしていたとも言われています。

さてさて、『チャコリ』は3つのエリア(産地)で生産されており、同じ葡萄品種主体で造られていてもなんとなくキャラクターが違うのです。
サン・セバスチャンの辺りで飲む『チャコリ』は“チャコリ・デ・ゲタリア”と言います。
わずかに気泡を含む軽快なスタイルが特徴です。
また、ビルバオ国際空港がある辺りで造る『チャコリ』は“チャコリ・デ・ビスカイア”と言います。
気泡は無く、バルでもワイングラスで提供されます。
比較すると柑橘の香りとボディーがよりある様に私は感じます。
もう1つのエリア、バスクの州都ビトリアの辺りで造られる『チャコリ』は“チャコリ・デ・アラバ”と言います。
このエリアの生産者はとても少なく現在わずか8軒で、ビトリアでバル巡りをした時にもアラバ産の『チャコリ』にはなかなかお目にかかれませんでした。
気泡は無く、派手さもないのですが重心が低くミネラル感ある旨み、フードフレンドリーな印象です。

使用される主要葡萄品種は白がオンダラビ・スリ(オンダリビ・スリ)おまじないみたいな名前のバスク語ですが、国境フランスバスクに近いオンダリビアという町由来なのでしょうね。バスク語でスリが白でベルツァが赤という意味です。
主要赤品種はオンダラビ・ベルツァ。
エリア(産地)によって推奨品種は少し異なり、チャコリ・デ・ビスカイアでは溌剌とした柑橘フレーヴァーのオンダラビ・スリ・セラティア(プティ・クリュブ)が推奨されています。その他、補助的に国際品種のリースリングやシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、赤ではピノ・ノワールも使用認可品種ですが、産地やパーセンテージの規制はあります。

近年は流行りの果皮浸漬の長いオレンジワインやアンフォラ熟成、酸化防止剤無添加のものなど色々と誕生しております。

スタンダードタイプのフレッシュで軽快な早飲みスタイルのものを気軽に飲むのも、1ランク上のシュールリータイプのBereziaベレツィア(澱に5ヶ月以上漬け込んで旨みを引き出す)をゆっくりと味わって頂くのも良し、Apardunaアパルドゥナといわれる瓶内二次発酵シャンパーニュ製法の熟成したものの馥郁とした芳醇な香りに浸るも美し、Apartakアパルタとカテゴリーされているオレンジタイプやアンフォラタイプの個性を考えながら瞑想するのも面白く、Uztagoienaウツタゴイエナと呼ばれる遅摘みのレイトハーヴェストタイプの甘露なうっとりとする味わいに酔うのも乙です。

あなたのお好みはどちらでしょうか?